第18章 良いことが近い

マークは一瞬だけ固まった。すぐに、彼女の瞳の奥をかすめた寂寥を見て取る。無理に誘うことはせず、気遣うようにチケットをそっと引っ込めた。

「でも……君、何か重いものを抱えてる顔だ。あの――君を故郷から追い出した人のことか?」

その言葉に、南坂海乃の指先がわずかに強ばる。

ちょうどそのとき、テーブルに置いたスマホがぶるりと震えた。国内ニュースのプッシュ通知だ。

【黒谷グループ社長・黒谷優、謎の恋人とクリスマスを満喫。ゴールイン間近か!】

南坂海乃の視線は抗えず、画面へ吸い寄せられた。

写真は国内の有名スキーリゾートで撮られている。

吹雪の中、黒いスキーウェアの黒谷優が、ピンクのダウ...

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